野菜ジュースは「栄養」ではなく「免罪符」? カゴメのラインナップに学ぶ究極のOne to Oneマーケティング

こんにちは、カオリです。
最近、とある社員さんの「朝のルーティン」が気になっています。彼はいつも朝一番に野菜ジュースを飲んでいるんです。私は正直あの味が苦手なのですが、ふと思いました。
「野菜ジュースの訴求って健康ばかりだけど、他にアピールできる価値はないのかな?」と。そこでHAKURAKUを使って、ユーザーの本音をのぞいてみました。

ぺルソナ分析で出てきたのは、「健康」「ダイエット」「手軽さ」といった面々。


ふむふむ、ここまでは私の想定の範囲内。
順当な結果に「やっぱり健康意識が高い人が飲んでいるんだな」と納得しかけたのですが、具体的なポストを見ていくと、その裏側に潜む「意外な本音」が見えてきたんです。

それがこちら。

・不摂生のリセット
「昨晩揚げ物を食べたから帳消しにしたい」「ジャンクフードの罪をチャラにする」
・最後の生命線
 体調不良でダウンしている時や、忙しすぎて固形物が喉を通らない時の、文字通り「命をつなぐ1本」としての切実な価値。

「健康のために前向きに選ぶ」というだけでなく、「ダメな自分を救う!」という、現代人の免罪符としての野菜ジュースなんですね。

しかし、そんな「救世主・野菜ジュース」に対し、ユーザーは一つの「大きな矛盾」に直面していました。

HAKURAKUのクラスタリング分析を見てみます。
「ダイエット」「水」「弁当」…そして「糖分」
「え、糖分?」と、驚き、キーワードの元となる実際の投稿を覗いてみると、愛飲者のリアルな声が並んでいました。


 「野菜ジュースは意外と糖分が多い」
 「実は野菜ジュースって糖分がかなり多いから気をつけないとね」
 「野菜ジュースみたいな体によさそうなのは糖分入ってても飲みます」

なんと、野菜ジュースは糖分もしっかりと含まれている飲料だったようです。
野菜ジュースが苦手な私からはなんだか意外ですが、野菜ジュース界隈の常識でしょうか…。

ここで面白いのは、「糖分が多い」という事実を知った後のユーザーの反応です。
彼らはそこで「飲むのをやめる」のではなく、「飲みやすさ(=糖分)」か「野菜味(=ガチ)」か、自分の生き方に合わせて「選択」を変えていたのです。

気になった私は、”野菜ジュース” (“糖分” OR “糖質” OR “砂糖”)で、「野菜ジュース」と「糖分」で再分析をかけてみました。

すると、先ほどとは違う層のペルソナが浮かび上がりました。
出現したのは健康管理や生活習慣、ジム通いやジョギング、と単純に「野菜不足」を気にする層よりも、圧倒的に健康へストイックに取り組んでいる層でした。


実際の投稿を見ると、飲み物ですよね?と言いたくなるような投稿もちらほら。

「糖質オフを飲んで、通常の野菜ジュースがいかに甘かったかを知った」
「全然甘くない。私は今、野菜を飲んでる!って感じがする」
「形容しがたい味。強いてあげるならトマトのヘタの味ですね」

トマトの、ヘタ…。
野菜ジュースが苦手な私からすると、思わず『うへー』となるのですが、本格派の彼らにとってはこの飲みにくさこそが、余計な糖分を排除したというエビデンスとして機能していたのです。
彼らは美味しさを求めているのではなく、自分の身体をハックするための「ツール」を求めている。
もはや野菜ジュース選びは、一種の「修行」に近い領域なのでは…。

「修行」のような糖質オフを求める層までいると知り、改めてカゴメのラインナップを見直して、私はハッとしました。

引用:https://www.kagome.co.jp/products/drink/


トマトジュース一つをとっても、低塩、無添加、濃厚リコピン、さらに「あまいトマトGABA&リラックス」なんていう商品もありました。
野菜ジュースについては、オーソドックスなものだけでなく、「野菜一日これ一本」シリーズで、不足しがちなカルシウム&マグネシウムや鉄分&葉酸入りなどの成分を補うもの。さらには糖質オフまで。

これ、もしかして、カゴメは「健康」という言葉でユーザーを一括りにしていないのでは?
ユーザー一人ひとりの「生活習慣の悩み」や「今、この瞬間の悩み」に対し、棚全体を使って1対1の回答を用意してくれている。
そう考えると、あの膨大なラインナップのパズルがピタッとハマる気がしました。

「昨日の自分」を許したい人へ
「美味しい!」という快感で野菜不足の罪悪感を消し去り、手軽に「あぁ、いいことしたな」と思わせてくれる。

「明日の自分」を管理したい人へ
ジュースとしての甘さを捨ててでも、数字(糖質や成分)を徹底的に追い込みたい。そんなストイックなニーズに、あえて「修行のような味」で応える。

カゴメの凄さは、「健康になりたい」という願望の裏側にある、一人ひとりのちょっとしたワガママや、ストイックすぎるこだわりまで、まるごと棚で受け止めてくれていることにあるのかもしれません。

分析ツールを使って見えてきたのは、カゴメが棚全体を使って行っている、緻密なOne to Oneマーケティングの現場でした。

自分がどちらのタイプを手に取っているかで、今の自分の「健康への本気度」や「自分への甘さ」が可視化されてしまう。
本当はマーケターとして、「他にアピールできる価値」はないかなと探していたのですが、野菜ジュース愛飲者の切実な本音を垣間見ることができ、これはこれで深いな……と感じた私です。

社員さんの毎朝の野菜ジュースのパッケージも、これからは少し違った視線で覗き込んでしまいそうです。
ちなみに二日酔いにトマトジュースや野菜ジュースを飲んでる人も結構いるみたいですね。

……ま、私は二日酔いになんてならないので、お世話になる予定はありませんけどね!
今夜も「免罪符」要らずで、美味しいお酒を楽しもうと思います。

皆さんは明日、どの1本を手に取りますか?
それでは、酔い週末を~!

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